「ロシアとウクライナの対照的な政党制とその戦争への影響」
第4回は、大阪大学・法学研究科准教授の鳥飼将雅先生に講演していただきました。
ロシア・ウクライナ戦争の、軍事的・国際政治的な分析は進んでいるものの、両国の戦争前後の国内の政治過程に関する議論は相対的に進んでいない。しかし、国内政治過程は両国の意思決定過程に大きな影響を与えるため、今般の戦争を理解するためには、決して等閑視すべきではない。本講演では、特に2014年のユーロマイダン革命後の両国の政党政治に焦点を絞り、対照的な国内政治過程について説明する.ロシアでは2007年以降、与党統一ロシアによる支配が確立した。同時に、システム内野党の発展を通じて、ある程度野党に妥協しつつ、政党制全体の支配も図っている。対して、ユーロマイダン革命後のウクライナでは、大統領与党が強い影響力を持つものの,親露政党も一定の影響力を維持してきた。特に東南部での親露政党の伸長は、戦争後の統治を見ても、ロシアに一定の利益をもたらしていた.両国の政党政治の比較を通じて、ロシア・ウクライナ戦争の分析に有用な新たな視点を提供したい。
2023年7月19日(水)
アイオス永田町にて
出席者:鳥飼将雅(大阪大学法学研究科准教授)
松里公孝(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
加藤朗(国際政治学者)
鳩山友紀夫(共和リサーチセンター代表)
首藤信彦(共和リサーチセンター所長)
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