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友愛外交として、鳩山友紀夫代表が北京で開催された「平和5原則宣言70周年記念会議」に出席し、主催国の習近平主席はじめ参加各国要人と会談しました。



≪共和リサーチセンター代表 鳩山友紀夫≫

冷戦下の1954年、中国は国際関係上で遵守すべきものとして、『領土保全及び主権の尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存』の平和共存5原則を発表した。今年の6月28日、平和共存5原則発表70周年記念式典が開催され、習近平国家主席が講演を行った。習主席は平和五原則が今こそ世界が守らねばならない原則であると述べて、米国を意識してか、『大きな者が小さな者を征服し、強者が弱者をいじめ、富者が貧者を搾取することを拒否する』と語った。そして自分たちは、強くなると覇権を求める間違った道を決して歩むことはないと述べて、この70周年を出発点として、歴史的なミッションを背負い、人類の未来を共有する共同体を築き、より良い未来をもたらすために共に前進すると結んだ。私はドビルパン元仏首相らと久しぶりに習近平主席にお会いし、また王毅外交部長とも旧交を温めることができた。




追補:「平和5原則70周年会議と習近平演説の意義について」

                        共和リサーチセンター所長 首藤信彦

第二次世界大戦終戦直後から、旧植民地では独立勢力と宗主国との間の紛争、そして新生国家間でも激しい衝突が多発していた。1949年建国直後の中国と47年独立後のインドとの間にも深刻な国境紛争が続いたが、1954年の印中首脳会談(ネルー/周恩来)において平和5原則が発表され、新しいアジアの平和秩序への展望が示された。この動きは続く55年にインドネシアのバンドンで開催された第1回アジアアフリカ会議へと受け継がれ、そしてのちの非同盟諸国首脳会議に発展していったのである。バンドン会議では、次のようなバンドン10原則と呼ばれる「世界平和と協力の推進に関する宣言」が発表された。

1.基本的人権と国連憲章の主旨と原則を尊重

2.すべての国の主権と領土保全を尊重

3.すべての人類の平等と大小すべての国の平等を承認

4.他国の内政に干渉しない

5.国連憲章による単独または集団的な自国防衛権を尊重

6.集団的防衛を大国の特定利益のために使用しない。また他国に圧力を加えない

7.侵略または侵略の脅威・武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立を侵さない

8.国際紛争は平和的手段によって解決

9.相互の利益と協力を促進

10.正義と国際的義務を尊重

 

今年は、このアジアにおける平和と国際秩序を求めた原点とも言うべき平和5原則宣言から70年目の節目に当たり、北京で70周年を記念して北京で国際会議が開かれ、習近平主席が演説した。

主席は単に平和5原則の歴史的意義を回顧するにとどまらず、その現代的な意義について次の4点を主張した。

1.国際関係と国際法の支配における基準(benchmark)を示したものである

2.異なる社会制度を有する国家間関係の確立と発展に基本指針となる

3.発展途上国が団結を通じた協力と自助努力を追及する際の結集力となる

4.国際秩序の構造改革と改善に歴史的な「智恵」として寄与する

そのうえで、彼はこの原則と展望を次のように発展させるべきと述べた。

(1)   すべての国が共有できる未来と相互利益を有し、国際関係における公正と共存の新しいモデルを作り上げることが可能であること

(2)   世界の発展・協力・相互利益・そして新しい平和と進歩の展望に対応したものであること

(3)   多極化、経済グローバル化そして新しい発展と安全を確立する道と歩調をあわせるものであること

(4)   国家主権原則の堅持

(5)   相互尊重の基礎の確立

(6)   平和と安全の展望を現実のものとする

(7)   繁栄を達成するために、すべての勢力が団結しなければならないこと

(8)   正義と公正にコミットしなければならないこと

(9)   開かれたそして包摂的な心を抱かなければならないこと


 そして、最後に、今や「グローバルサウス」こそが、この新しい歴史的出発点において、より開放的で、包摂的であり、人類の新しい共通の未来を創るために協力しあうべきだと主張した。そのためには平和構築のための確固とした力を持ち、開放的な発展への中核的な力となり、「グローバルガバナンス」の為の建設的なチームとなり、多様な文明の交流の呼びかけ人となろうと締めくくった。

 この習近平主席の演説は単に70周年の記憶や記念ではなく、現代社会と国際関係がウクライナ戦争そしてガザ紛争に直面し、それらが大国の覇権主義的な進攻や領土争いなどの古典的な思考によって動かされ、さらに本来は平和維持のための国際機関であったはずの国連が十分にその機能を果たすことができない状況下において、平和5原則を土台として、新しい平和原則を構築していこう、そしてそのイニシアチブを中国が執っていこうという、強い意思を表明したものになった。

 今後、中国自体がさまざまな平和課題を抱える状況のなかで、どのように平和構築に積極的に動き出すか、注目してみる必要があろう。


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