第一回 モルドヴァの実態とウクライナ西方における潜在的リスク
ウクライナ戦争は東部バフムト(旧アルチェモフスク)における長期の凄惨な戦闘がいまや最終局面を迎えようとしています。
今後、ウクライナ軍が予定された春の反転大攻勢に踏み切るのか、あるいは逆にロシア軍がウクライナ東部戦線全域において再侵攻を始めるのか、状況は予断を許さないものがあります。
ウクライナの戦争継続能力の低下が指摘される中で、一方ではポーランドとの国土合併構想によるNATO参戦の可能性など、戦争の一段の拡大を示唆する動きもあります。
その中で我々はウクライナの周辺地域とくにウクライナ西方、アメリカ軍が駐留するルーマニアに隣接するモルドヴァに注目し、ロシア軍の駐留する沿ドニエステル共和国の存在も含め、同地域の実情と政治的安定性について研究を深めたいと考えます。
今回はこの地域研究の権威でもある松里公孝教授に、モルドヴァの政治情勢と潜在的なリスクについてご講演をお願いしました。
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