税は歴史の中で、その形を何度も変えてきました。
それは社会の変化によって、求められる税のあり方も変わったからです。
今、世界は、グローバル化し、デジタル化し、巨大多国籍企業が台頭し、環境問題など国境を超えた課題を抱える一方で、タックス・ヘイブンを利用した租税回避が横行しています。資本主義が変わりゆく中、税制が実態に追いついていません。
トービン税や炭素税などのグローバル・タックスについて、これまでも議論されてきました。今こそ、新たな国際課税ルールづくりが急務です。
今回、諸富徹先生をお招きし、旧来の国民国家税制と異なる新しい「課税主権」の在り方をご講演頂きます。共和リサーチセンターの指針を練り上げ、NEXT JAPAN を描く政策提言を示し、社会に一石を投じてまいります。
― 研究所長からの一言 ―
近代国家は主として生産活動より生まれる所得に課税した。所得が把握困難になると消費に課税するようになった。いまやグローバル化と「モノ」離れによって、価値は「存在」に移り、それに課税しなければ国家は機能を果たすことができない。そのことは伝統的な国家・企業・市民・民主主義などの基本的概念を変えていくことになる。今回のテーマは税だ。しかし、この窓を通してみる風景は別のものになるにちがいない。
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