昨年の衆議院総選挙以降、103万円の壁や社会保障財源の確保が大きな課題となっています。少子高齢化が急速に進む中、社会保険料や消費税だけに頼らない、新たな財源のあり方を模索することが求められています。そこで今回、京都大学教授・諸富徹先生をお招きし、勉強会を開催します。 昨年に出版された諸富先生の著書『税と社会保障』では、社会保険料と消費税の課題に加え、第三の選択肢についても具体的に提言されています。特に子育て支援政策を通じて、負担と給付のバランスをいかに実現するかを論じています。 共和リサーチセンターでは、これまで諸富先生をお招きして、「資本主義の新しい形」と「グローバルタックス」について2回の勉強会を開催しました。 本勉強会では、これらの課題をともに考え、持続可能な社会保障と税の在り方について深く議論します。共和リサーチセンターの指針を練り上げ、NEXT JAPAN を描く政策提言を示し、社会に一石を投じてまいります。
<研究所長の一言>
ピラミッド的人口構造、継続的経済成長を前提とする日本の社会保障制度は完全に行き詰まりつつある。社会保障を支える保険料も高額となり、若者世代だけでなく、高齢年金世代も重負担に苦しむようになった。消費税撤廃や引き下げを公約とするポピュリズム政党が跋扈し、財源不足を増税によってカバーする政策は政治的に困難である。その意味で、税と社会保障の一体化は急務であるが、単に困難を抱えた課題を合体するだけでは問題解決とはならない。諸富先生には新しい社会保障財源をどのような形で生み出すかを提示いただき、それを基に議論したい。
2025.2.7 アイオス永田町にて
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